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持久力を高める運動はテロメアの老化を抑制する?

老化運動

Posted on 2009.12.2

   
        
ドイツハンブルグのザール大学のウルリク・ラウフス博士らが、アメリカ心臓学会のジャーナル『Circulation』のオンラン版で報告した内容によると、トライアスロンやマラソンなど持久力を高める運動を長期間続けてきた人は、そうでない人に比べて白血球のテロメアの老化が遅いことがわかりました。

これはまず運動させたネズミとさせないネズミを比較。両者でテロメアの長さに大きな差はなかったものの、運動したネズミは、胸部大動脈のテロメラーゼ(細胞分裂を活性させる酵素)の活性が高まり、テロメアを安定させるタンパク質が増え、テロメアのアポトーシス細胞死)に関わる物質が減少していました。

この結果をもとにヒトによる研究も開始。
平均35年ほど持久走などの運動を続けてきた平均年齢51.5歳のランナーと、滅多に運動をしない同年齢の人、平均年齢20.4歳の陸上競技の選手と同世代の運動をしないグループの白血球のテロメアの長さやアポトーシス細胞死)のようすを調べた結果、運動をするグループでは、身体能力が高く、テロメラーゼの活性が高く、テロメアを安定化させるタンパク質の活性が高まり、アポトーシスに関わる物質の活性が下がることが判明。

運動をしない中年グループのテロメア長は、若い運動をしないグループ、運動をするグループと比べて明らかに短く、老化が進んでいることがわかりました。また白血球中のテロメアの老化は運動をする中年のグループで明らかに老化の程度が低く、テロメアの寿命が老化に大きな影響を及ぼすという老化学説上、持久力を高める運動が、長寿につながる可能性を示唆しています。

しかし、今回の研究結果は少人数のグループを対象に行ったもので、老化を抑制する運動の程度についても言及できていないことも述べた上で、今後も実験を進める意向を示しました。