コラムColumn
【メディカル】記憶力がめっきり衰え始めると二年半以内に旅立つ可能性!読み書きとチェスや囲碁・将棋などを続けることが防止効果大!
老化
Posted on 2012.4.15
米国・シカゴのラッシュ大学メディカルセンターに所属するRobert S. Wilson博士らがNeurology 2012年4月4日のオンライン版に発表した研究で、一般に高齢者は亡くなる前の2年半から記憶力や思考力が、それ以前の8倍から17倍のスピードで急速 に衰えること、一方で読書好きで手紙や文章など日常的に書く習慣があったり、チェスやチェッカーなどのボードゲーム(日本でいえば将棋、囲碁、オセロな ど)を日々の楽しみにしている高齢者は、能力が維持されることも明らかになりました。
博士らは、調査開始時点で認知機能に問題のなかった174人のカトリックの司祭、修道士、修道女を対象に、亡くなるまでの6年から15年の期間、毎年継続的に認知記憶検査を実施しました。
彼 らが亡くなった後、さらに大脳が分析され、アルツハイマー症の特徴の有無なども精査されました。データを詳しく分析した結果、アルツハイマー病の進行とは 別の理由と推測される脳機能の生物学的変化により、上記のように死を迎える2年半前から急速に記憶力が衰えていることが明らかになりました。もう一つの研 究で博士らは、認知症ではない平均年齢80歳の高齢者1.076人を対象に5年間毎年記憶力検査を実施し、知的活動を伴う日常の生活行動との関係を分析し ました。
データを分析した結果、前年の読書やゲームなどの知的活動の頻度が、翌年の記憶力検査の結果を予測する指標になっていること、しかしながら記憶力検査の結果が、翌年の知的活動の頻度を予測する指標ではないことが明らかになりました。
つまり高齢者は上記のような知的活動を、頻繁に活発に行なっていると記憶力が衰えないが、記憶力が良くても翌年以降活発な知的活動を行うかどうかは、人により、記憶力が良い人でも、何もしなければ衰えやすい、ということが証明されたということです。