コラムColumn

【食】ココアは高齢者の脳機能改善に効果あり!

老化脳食

Posted on 2012.9.3

cocoaココアが動脈硬化の予防に効果があることは知られていますが、イタリア・ライクラ大学のGiovambattista Desideri博士らが、Hypertension 2012年8月14日オンライン版に発表した研究で、高齢者の認知機能の維持改善にも効果があるこ とが分かりました。
博士らは軽度認知症が認められる高齢者90人を対象に、二重盲検法による実験を行いました。実験では被験者となった高齢者は毎日ココアを飲みましたが、含有するココアフラボノイドの量をグループごとに変えてあり、量の違いによる効果が比較されました。
1日の摂取量はそれぞれ、Aグループではココアフラボノイドが990mg、Bグループには520mg、Cグループは45mgで、これを毎日摂取し8週間継続した段階で認知機能や健康状態の変化が調べられました。
調 査結果を分析した結果、認知機能を詳しく測定するTMTテスト(Trail making test 日本での実施の場合は、パートAは注意の持続と選択力を測る目的で、数字を1から25まで順に結ぶもの、パートBは注意や概念の変換能力を測る 目的で、数字とひらがなを交互に結ぶという内容)に関して、ココアフラボノイドをたくさん摂取したAグループの高齢者は、処理速度が実験開始当初よりも著 しく改善していました。
また発話流調性に関しても、全グループ改善が見られましたが、Aグループが他に比べて顕著に改善していました。血圧に関しても最もたくさん摂取していたAグループでは平均10mmHg低下し、血漿グルコース、インスリン抵抗性も改善していました。
この結果に関して博士らは毎日高容量のココアフラボノイドを摂取することが、高齢者のインスリン感受性の改善を介して認知機能の改善をもたらしている可能性が高いのではないかとしています。