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無感動は脳の萎縮のサイン?!

老化

Posted on 2014.4.20

gum11_ph01007-s-1物事に関心がなくなったり、無感動になった高齢者は、そうでない高齢者に比べて、脳がわずかに委縮している傾向があることが判明し、2014年4月の米国神経学会雑誌・オンライン版『Neurology』で発表されました。これは、米国国立衛生研究所と米国神経学会のメンバーが中心に実施した研究で、平均年齢76歳、4345人の脳のMRI画像と、関心の欠如、感情の欠如、身体活動の欠如、興味・好奇心の欠如、無気力感の有無、外出を嫌い、自宅にいることを好むかどうかなどについて質問した結果を分析したものです。それによると、無関心・無感動になっているグループは、なっていないグループに比べて、灰白質の容積が1.4%、白質の容積が1.6%小さいことがわかりました。灰白質は学習記憶が収められている部分で、白質は脳のネットワークを円滑にする部分です。この結果について研究者は、無関心や無感動の傾向がある高齢者を、脳障害のハイリスクグループとして、早期に識別して、認知症などの予防に役立てたいと述べています。
Structural MRI correlates of apathy symptoms in older persons without dementia: AGES-Reykjavik Study. Neurology, 2014