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1日5皿の野菜と果物が長寿の秘訣

老化食

Posted on 2021.8.24

アメリカ心臓協会(AHA)で発表されたハーバード大学の新しい研究によると、1日に果物2回と野菜を3回食べることが長寿に最適であることを2021年3月の『Circulation』で発表しました。この研究は過去に行われた男性42,016人、女性66,719人を30年間にわたり追跡調査した結果などを含む合計26のコホート研究、合計約200万人分のデータを分析したものです。その結果、1日に5サービング(ざっくりと5皿、パック入りのサラダやフルーツ5個)の果物と野菜を摂取した参加者は、すべての原因による死亡リスクが13%低くなりました。それぞれの死亡リスクの低減効果については、心臓病や脳卒中などの心血管疾患による死亡リスクが12%低下、がんによる死亡リスクが10%低下、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患による死亡リスクが35%低下していました。さらにデータを分析したところ、1日5回以上の野菜や果物を食べてもさらに死亡リスクが低下したり、寿命が長くなったりすることはないこと、ジャガイモ、豆類、トウモロコシなどのでんぷん質の野菜、フルーツジュースは、死亡リスクの低下とは関連していないことも明らかになりました。一方、ほうれん草、レタス、ケール、ニンジンなどの緑黄色野菜や、柑橘系の果物、ベリー類など、ベータカロチンやビタミンCが豊富な果物や野菜には全ての疾患による死亡リスクの低減効果が認められました。一方で1日5回(5皿)の野菜と果物を食べている米国人は10人に1人しかいないということです。研究者は、今回の研究をもとに、人々にわかりやすく誤解を与えないようにして、すぐに食生活を改善できるようなメッセージを発信することが重要だと述べています。具体的には、野菜や果物の1日の推奨量については、毎回の食事ごとにサラダを一皿食べることを推奨したり、おやつやデザートにフルーツを1日2回食べることを推奨したり、さらにでんぷん質の野菜は食べすぎに注意することなど、野菜や果物が全てが同等に健康に役立つわけではないことも教育する必要があることを指摘しています。
【出典】Dong D. Wang, Yanping Li, Shilpa N. Bhupathiraju, Bernard A. Rosner, Qi Sun, Edward L. Giovannucci, Eric B. Rimm, JoAnn E. Manson, Walter C. Willett, Meir J. Stampfer, Frank B. Hu. Fruit and Vegetable Intake and Mortality: Results From 2 Prospective Cohort Studies of US Men and Women and a Meta-Analysis of 26 Cohort Studies. Circulation, 2021; DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.120.048996