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【食】汚い腸では痩せない!-腸内細菌のはなし

美容食

Posted on 2011.4.21

himan腸内細菌は、約6.5mある私たちの腸の中に棲みつく微生物で、約100 兆個もいるといわれている。そのうちの一つである乳酸菌は、腸内に侵入した異物やウイルスなどを排除する腸管免疫の働きをサポートしたり、大腸菌やウェルシュ菌などの悪玉菌の増殖を抑え、腸内の腐敗やアンモニアなどの有害物質の発生を抑制する。一方、ダイエットの邪魔をするのが悪玉菌。
「どんなに食事に気を使っても、腸の中が悪玉菌ばかりでは、栄養が吸収されず、排便リズムも乱れます。ダイエットを成功させるには、乳酸菌飲料、牛乳、ヨーグルトや、信頼性の高い乳酸菌サプリメントで、腸内環境を整えることが大切です」と語るのは、順天堂大学医学部病院管理学・総合診療科教授 小林弘幸先生。
最近では乳酸菌に、便秘改善効果、抗肥満効果、抗アレルギー効果、抗インフルエンザ効果など、多面的な健康効果があることが多数、報告されている。
一方で、便秘の改善や体重減少を目的として、腸内洗浄を頻繁に行う女性が多いことに警鐘を鳴らす小林先生。
「腸内洗浄を繰り返していると、大切な善玉菌まで腸から消えてしまいますし、感染症などを引き起こす原因になります。それよりも大腸内視鏡検査を1〜2年に1 度受けたほうが、現代人に増えている大腸がんの早期発見にもなりますし、検査前に便をきれいに排出するので、腸の掃除にもなります」とアドバイスする。
【取材協力者プロフィール】
順天堂大学医学部病院管理学・総合診療科教授 小林弘幸先生
1960 年生まれ。順天堂大学医学部卒業後、ロンドン大学附属英国王立病院外科、アイルランドトリニティ大学附属病院外科にてチーフレジデント、アイルランド国立小児病院にて研修。2003年より順天堂大学医学部 小児外科学助教授、順天堂大学附属順天堂医院 医療安全対策室室長を兼任。06年より現職。日本外科学会専門医、日本小児科学会指導医、日本体育協会公認スポーツドクター