アルギン酸を含んだゲル状のダイエットドリンクによって空腹感が緩和され、ダイエットや体重減少に良い効果をもたらすことが、オラン ダ・ヴラールディンゲンのユニリーバ開発研究所のHarry Peters博士らの研究で明らかになり、2011年4月21日付のオンライン版Obesityに発表されました。
この研究は平均年齢53歳の23人の被験者を対象に行なったもので、朝食の代わりに325mlで190kcalのチョコレート味のドリンクを飲んでもらい、５時間後の空腹感を調査しました。
実験のために用いられたドリンクには、それぞれ0.6％と0.8％の「アルギン酸」が含まれていました。
アルギン酸は、海藻（シーケルプなどの褐草）に含まれる水溶性の食物繊維で、食品に添加して、とろみや粘り気、ゲル状にするための食品添加物として用いられ ます。また、体内ではほとんど消化吸収されずに、コレステロールや中性脂肪の吸収を抑制したり、人体に有害な物質を便として排出したり、ブドウ糖の吸収速 度を遅くして血糖値の上昇を防ぐことから、ダイエットや食事療法にも用いられています。
実験では、アルギン酸を含むドリンクと、含んでいないドリンクをそれぞれのグループに飲ませて、5時間後の空腹感の強さの違いを比較しました。
その結果、アルギン酸入りドリンクを飲んだグループでは、アルギン酸の入っていないドリンクを飲んだグループに比べて、5時間後の空腹感が30％も少なく、 アルギン酸を含んだドリンクのほうが、空腹を感じないために、ダイエットの際には、より良い効果をもたらすのではないかと研究者らは分析します。
満 腹感は、食べものが胃や腸を刺激することによっても高まるため、単なる液体よりも胃の中でゲル状になってより胃を刺激するものが、効果的、持続的に満腹感 を感じさせるかもしれないと研究者らは指摘。今回の実験に用いたアルギン酸入りのドリンクは、これを満たすものとして、ダイエットに有用である可能性を 持っていると述べています。