コラムColumn
【ビューティー】古代エジプトのハトシェプスト女王は3500年前に発がん性物質の入ったローションを使っていた!
美容
Posted on 2011.8.27
歴史に関心のない方でも、日本人も含めて大勢の観光客が犠牲となった1997年のエジプト・ルクソールでの外国人観光客襲撃テロ事件の舞台がハトシェプスト女王葬祭殿だったことで古代エジプトのハトシェプスト女王の名前は記憶されている方も多いと思います。このハトシェプスト女王のミイラは、有名なツタンカーメン王の墓を発見・発掘した英国のハワード・カーターが、王家の谷で1903年に発見していましたが、2007年にエジプトのザヒ・ハワス博士により、3500年前に亡くなった女性ファラオのハトシェプスト女王のものであることが確認されました。
このハトシェプスト女王の墓から発見された女王の名前の入った小さなビンの内容物を調査していたボン大学のHelmut Wiedenfeld博士らの研究チームが、ついにその中身を解明したと、2011年8月19日に発表しました。
研究チームは当初から、副葬品として発見された小瓶が、女王の使用していた香油の小瓶であると考えていましたが、2年の歳月を費やして、ついに残留物を分析して、その内容物が香油ではなく、おそらく女王一族が悩まされていた皮膚疾患の治療のために使用していたローションであり、さらにその内容物が脂肪酸で発がん性物質であるベンゾピレンを含んでいたことを突き止めたということです。
ベンゾピレン(ベンツピレン)はコールタールや排気ガス、タバコの煙などに含まれる発がん性の非常に高い化学物質で肺がんなどの原因であることが知られています。博士らは女王が皮膚疾患を和らげるために、毒性を知らずにこの発がん性の強いベンゾピレンを含んだローションを長期間使用したことでがんを発症し、亡くなった可能性があるのではないかとしています。