日焼け止めクリームの日焼け止め成分の効果を十分に発揮させるためには、「遊離鉄」を取り除く「鉄トラップ抽出物」を追加する必要があることが英国バース大学の研究で明らかになり、2022年2月の「Antioxidants」という科学雑誌に掲載されました。私たちは紫外線による肌ダメージを予防するために日焼け止めクリームを使用します。紫外線ダメージはシミやシワなどに留まらず、皮膚がんの原因になることもあります。日焼け止めクリームは紫外線を遮断、吸収するように設計されています。この働きを妨害するのが遊離鉄で皮膚の細胞老化も引き起こすことが確認されています。研究者は、すでにこの有害な遊離鉄を取り除く天然抽出成分（鉄トラップ抽出物）をいくつか特定しています。具体的には野菜、ナッツ、手指、樹皮、海洋性の物質、真菌、花からの抽出物などで、これらの成分を日焼け止めクリームに追加することで、遊離鉄を排除して、紫外線の遮断や吸収の効果を十分に発揮できるようになる可能性があると説明します。その一方で、天然成分からの抽出はコストがかかり、商業目的で活用するためにはさらなる研究が必要になるということです。

【出典】 Charareh Pourzand, Andrea Albieri-Borges, Nico N. Raczek. Shedding a New Light on Skin Aging, Iron- and Redox-Homeostasis and Emerging Natural Antioxidants. Antioxidants, 2022; 11 (3): 471 DOI: 10.3390/antiox11030471