コラムColumn

標準体重で脂肪量が多い「隠れ肥満」に注意

美容老化肥満運動食

Posted on 2023.8.13

体重が標準的で健康的な数値でも3分の1は脂肪が多く肥満であることがイスラエルのテルアビブ大学の研究で明らかになり、2023年7月の「Frontiers in Nutrition」に掲載されました。

脂肪含有量の増加は肥満として定義され、心臓病、糖尿病、脂肪肝、腎機能不全など、生命を脅かす可能性のある一連の心臓代謝疾患を引き起こす可能性があります。

そこでこの研究は、イスラエル人の成人男女3000人の体重、体脂肪、血液検査などの健康データを基に分析しました。その結果、1100人は正常体重内であることがわかりましたが、このうち男性の26.5%、女性の38.5%は標準体重の肥満、つまり体重は標準であるにもかかわらず、過剰な脂肪( 体重に占める脂肪量が男性で25%以上、女性で35%以上) があることがDXAスキャン(X線を使用して志望含有量を含む体組成を測定)で判明しました。

一方で、 過体重と特定された男性の 30% と女性の 10% は正常な体脂肪率を持っていることがわかりました。

この結果について研究者は、標準体重の範囲に収まっているにもかかわらず、脂肪量が多い「隠れ肥満( 体重に占める脂肪量が男性で25%以上、女性で35%以上)」の人は、体重が標準値であるがために目立たないまま生活改善をせずに過ごしがちで、心臓血管病リスクが高まってしまう可能性があるため、体重だけでなくむしろ、体脂肪率やBMIに注目して、自分の健康状態を観察していく必要があると述べています。

【出典】 Yair Lahav, Aviv Kfir, Yftach Gepner. The paradox of obesity with normal weight; a cross-sectional study. Frontiers in Nutrition, 2023; 10 DOI: 10.3389/fnut.2023.1173488