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【食】カフェインの多いソフトドリンクはアルコール依存症のリスクを高める
食
Posted on 2010.11.20
レッドブルをはじめとする「エネジードリンク」と呼ばれるカフェインの多いソフトドリンクを飲むことで、アルコール依存症になるリスクが高まることが、アメリカの大学生を対象にした米国メリーランド大学公衆衛生学所属のAmelia Arria博士らの研究で明らかになり、オンライン版のAlcoholism: Clinical & Experimental Researchで発表されました。
この研究はアメリカの大学4年生1097人を対象に行われたもので、彼らが過去12ヶ月のアルコールやソフトドリンクをどれくらい飲んでいたかについて質問しています。その結果、年に52日以上カフェインの多いソフトドリンクを飲む学生は、飲まない学生に比べて2.4倍もアルコール依存になるリスクが高く、アルコールを飲み始めた年齢も早く、二日酔いや酔っ払って自制心を失ってしまったことがあることも明らかになっています。
カフェイン入りのドリンクは、アメリカの大学生たちの間で、徹夜で勉強したり、集中力を高めることができると思われており、そのために大学生の間でエナジードリンクと呼ばれて親しまれています。しかし今回の研究結果からArria博士は、カフェイン入りのソフトドリンクがなぜアルコール依存症のリスクを高めるかに関する科学的なメカニズムを調べるとともに、これらのドリンクを購入する際に、カフェインがどれだけ含有されているのか、またアルコール依存症になる可能性があることなどについて、消費者にわかりやすく明記する必要があるとしています。すでにアメリカ食品衛生局(FDA)では、すでに5つの州で販売が禁止されている「カフェイン入りアルコール飲料」の販売を中止させる方向にあり、カフェイン入りソフトドリンクについても何らかの措置を講じるべきであることを指摘しています。