コラムColumn

【食】タンパク質の少ない食事は過食を招く

Posted on 2011.10.29

tanpakuタンパク質を十分に摂らないと、スナック菓子などでカロリーを摂り過ぎてしまうことがオーストラリア・シドニー大学のAlison Gosby 博士らの研究で明らかになり、2011年10月号の「PLos One」オンライン版に掲載されました。
研 究では痩せ型の被験者22人に特別食を4日間食べてもらう実験を3回実施しました。被験者には自分の選んだ食事の栄養バランスについて知らせずに、自由に 食べたいものを選んでもらいました。3回の実験期間に食べた食事の総摂取カロリー量に対するタンパク質の比率を、10%、15%。25%に設定し、それぞ れの期間を比較しました。それぞれの期間の脂肪の量はすべて総カロリーの30%に固定しました。炭水化物は総カロリーの60%、55%、45%の中から好 きに選ぶことができるようにしました。
その結果、タンパク質が総カロリーの10%しか摂らなかった場合、15%のタンパク質を摂取した時と 比べて、明らかに総エネルギー量が増えていることがわかりました。しかも、過食した分は、食事からではなく、スナック菓子などを食事以外の時間に食べたこ とによるものでした。過食したスナック菓子は甘いものではなく、チーズ風味やスパイスの効いた塩気のあるものが多かったということです。
この結果について研究者らは、ヒトには本能的にタンパク質に対する「強い食欲」があり、タンパク質が体内に不足したと感じると、食欲が増してしまい、タンパ ク質のような風味のいい食べ応えのあるものを求めて、結果的に塩気やスパイスの効いたスナック菓子などを食べて、カロリーオーバーになり、肥満リスクを高 めてしまう可能性が十分にあると指摘しています。