EUでは2012年７月から、カナダでも８月からワインラベルへのアレルギー表示（清澄剤として使用されるアルブミン、ガゼインなど）が義務付けら れましたが、そうした清澄剤の成分が原因として引き起こされるアレルギー以外にも、ワインには様々な成分が含有されているため、約30％の人が、ワインに 対して頭痛や発疹など、症状の出るアレルギーないし不耐性を持っているとも言われています。

このワインアレルギーの主要な原因の１つとされ ているのが、ワインを醸造する際に働く酵母菌ですが、カナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学ワイン研究センターのHennie van Vuuren教授らがアレルギー反応を生じさせないワイン酵母菌を創りだしたということです。教授らが創りだした低アレルギーワイン酵母は北米のいくつか のワイン醸造所ですでに使用されていて、これまでワインに対してアレルギー反応を持っていた人でも、問題なく飲んで楽しめるものが醸造できたそうです。

教授らはブリティッシュ・コロンビア州のワインは、地元で飲まれるだけで国際的には余り知られていないけれど、今後は低アレルギーをセールスポイントとして売り出せるだろうとしています。

医療ジャーナリスト　宇山恵子

Canada Foundation for Innovation.　press release 2012.7.12