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手術の前の食事内容が術後の回復に影響を与える!
食
Posted on 2013.4.2
緊急ではない大きな病気の手術などに際しては、検査などの必要もあり、手術日の2~3日前から入院して、病院食を摂るのが一般的ですが、米国・ハーバード大学医学部のC. Keith Ozaki博士らが、Surgery 2013年4月号に発表した研究で、手術前の食事内容が手術後の脂肪組織の回復に影響を与えていることがわかりました。
博士らは外科手術では疾患のある臓器、心臓や肝臓などを最小限傷つけるだけで、手術を成功させることが、術後の回 復にとって最重要であると考え、常に手術が行われているのに対し、目標に到達する前に、切開される脂肪組織の回復には、あまり注意が払われていないことか ら、脂肪組織の回復について研究をすすめてきました。
今回の研究で博士らは、脂肪組織の回復に関して、手術前に摂取される食事の脂肪分の量が関係するのではないかと考え、マウスを使用して実験を行いました。
実験では、高脂肪食(脂肪分60%)で育てられた肥満マウスと、通常食(脂肪分10%)で育った普通体マウスを使用して、一般的な手術方法と同様のセッティングで手術を実施し、手術後の経過(脂肪組織の傷口の回復の進み方、感染の影響)を観察しました。
さらに実験では、肥満マウスグループの一部が、手術前3週間だけ高脂肪食から普通食にシフトされ、その影響も調べられました。術後の脂肪細胞組織の反応を詳しく分析したところ、肥満マウスは普通体マウスよりも、術後の脂肪組織の回復を妨げる炎症反応に繋がる、化学的なアンバランスが促進されていましたが、3週間前から低脂肪の普通食に変更した肥満マウスでは、普通体のマウスに近い、よりノーマルな反応に戻っていました。
こうした結果から、今後さらに詳しく研究する必要がありますが、人間の場合も肥満した人の手術前に、低脂肪の食事制限をすることが、術後の回復を妨げる反応を弱める戦略として有効である可能性があるのではないかとしています。
Surgery 2013年4月号