コラムColumn
ローズマリーがメタボに効果あり!
食
Posted on 2013.4.4
わが国ではメタボリックシンドロームの予防啓発キャンペーンで、腹囲が強調されすぎたせいか、残念ながらメタボという言葉が意味も把握せずに肥満した太鼓腹の人間を揶揄する表現として使用されるような傾向もあります。
メタボリックシンドロームとは、お腹の内臓脂肪の増加による中心性肥満(わが国では腹囲が男性85cm、女性90cm以上)と高血糖、高血圧、脂質異常症(高脂血症)の2つ以上を合併した状態で、動脈硬化や2型糖尿病などの生活習慣病の発症に繫がるため予防と対策が必要となるわけです。
このメタボリックシンドロームの予防と治療にローズマリーの抽出物が効果を持つ可能性のあることが、世界最大のスパイスメーカーである米国・マコーミック社の研究チームが、Journal of Agricultural and Food Chemistry 2013年3月20日号に発表した研究で、明らかになりました。
研究チームはこれまでのマウスを使用した研究で、ローズマリー抽出物が血糖値とコレステロール値を下げ、高脂肪食を与えた実験では、ローズマリー抽出物を一緒に与えたグループは、そうでないグループよりも60%以上も体重を減らす効果があったことなどから、ローズマリー抽出物が、どのようなメカニズムで機能しているのかを詳しく分析しました。
マウスを使用した実験の結果、与えられたローズマリー抽出物の量に比例して、ブドウ糖の消費量が増加し、最大で21%も増加していることがわかりました。
研究チームは、ローズマリー抽出物は脂肪酸と糖代謝の経路を活性化することで、肝臓での糖の分解と、脂肪酸酸化を促進する一方、脂肪の同化を抑制するで、このような結果になることがわかったので、さらに研究をすすめたいとしています。
Journal of Agricultural and Food Chemistry 2013年3月20日号