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“オーガニック”という言葉に弱い米国の消費者

Posted on 2013.4.9


 

わが国でも「オーガニック」すなわち農薬や化学肥料を使用しない有機農産物などが消費者の注目を集め、「有機JAS」マークが表示されている米、野菜や果物を見かけることも多くなりました。

また食品だけではなく化粧品やファッションアイテムなどにも、オーガニックを標榜し、消費者にアピールする商品が増加しているように思われます。

米国でも消費者の食品購買行動に「オーガニック」という単語の表示が大きな影響を与えていることが、米国・ニューヨーク州イサカにあるコーネル大学のBrian Wansink教授らが 、Food Quality and Preference 2013年7月号に発表する研究で明らかになりました。

教授らはイサカのショッピングモールの消費者から、115人を被験者として選び、調査を行いました。

調査ではヨーグルト、クッキー、ポテトチップスの3種類の食品を中身は同一で、パッケージのみ変えた「オー ガニック」と表示されているものと、「レギュラー」と表示してあるもののペアにして、それぞれについて味の評価、その商品の内容カロリー数、その商品がい くらであれば買いたいか、などについて被験者に尋ねました。

同時に被験者の環境問題に対する関心や、生活習慣上の行動、購買行動なども質問されました。

被験者の回答を分析した結果、中身は全く同じにもかかわらず、オーガニックと表示してある商品のほうが、低 カロリーであると看做されていました。またオーガニック表示の商品はレギュラー表示のものより、も被験者により高い金額での購買意欲を生じさせ、より健康 的な内容(脂肪分が少なく食物繊維が多いなど)と評価されていることも明らかになりました。

消費者行動との関連では、いつも栄養表示をしっかり読んでいる人のほうが、オーガニック食品を購入する頻度 が高く、そうした人はリサイクルなど環境保護的な生活習慣を持ち、「オーガニック」という表示をありがたがる光背効果の影響を受けやすいことも分かったと いうことです。

Food Quality and Preference 2013年7月号