イタリアのペルージャ大学と、スペインのバルセロナ大学の共同研究によると、フルーツや野菜、赤ワインなどに含まれ、抗酸化力に優れ、健康効果が期待され る「ポリフェノール」を多く摂取した人の方が、より長生きをしていたことが明らかになり、2013年9月号の科学雑誌「Journal of Nutrition」で発表されました。研究者らは、1998年～2000年までの間、65歳以上のイタリアトスカーナ地方に住む男女807人の食事の習慣や健康に関する調査を行いました。その 項目の中には、「尿中総ポリフェノール濃度（TUP)」も含まれており、ポリフェノールの摂取量と健康についても分析しました。12年後、807人の被験 者のうち、274人が死亡していました。これをもとに死亡した人と健常者の食事の習慣や「尿中総ポリフェノール濃度」を分析した結果、1日650㎎以上のポリフェノールを摂取していた人は、1日500㎎未満しかポリフェノールを摂取していなかった人に比べて30％も死亡リスクが低いことが明らかになりました。最近よく言われる「赤ワイン健康法」について検証すると、赤ワインに含まれるポリフェノールは、100mlに300㎎、ワイングラス1杯にポリフェノールが450㎎だとすると、赤ワイングラス2杯で、長生きに十分なポリフェノールが摂取できそうです。ただ、ポリフェノールには、8000種類以上の種類があり、それぞれの健康効果については、まだ詳しく検証されていないため、私見としては、フルーツ、野菜、果物、そしてワインなどから偏りなくポリフェノールを摂ることをおすすめします。
R. Zamora-Ros, M. Rabassa, A. Cherubini, M. Urpi-Sarda, S. Bandinelli, L. Ferrucci, C. Andres-Lacueva. High Concentrations of a Urinary Biomarker of Polyphenol Intake Are Associated with Decreased Mortality in Older Adults. Journal of Nutrition, 2013