コラムColumn

人工甘味料が腸内細菌を介して耐糖能を悪化させる

Posted on 2014.11.8

イスラエルのワイツマン研究所によると、糖尿病の予防のために砂糖の代用品として消費されている人工甘味料が、腸内細菌叢を介して、耐糖能を悪化させ、糖尿病を悪化させてしまう可能性があることを2014年9月17日のオンラン版『Nature』で発表しました。
これは人工甘味料をマウスに与え続けた結果、耐糖能障害を起こすことが認められ、そのメカニズムとして、人工甘味料が腸内細菌叢に何らかの影響を与えているのではないかと推察しました。
この推察を検証するために研究者らは、人工甘味料で耐糖能障害を起こしたマウスの腸内細菌叢を、無菌マウスに移植して、経過を観察しました。
するとその結果、人工甘味料で耐糖能障害を起こしたマウスの腸内細菌叢を移植された無菌マウスに、人工甘味料を与え続けた結果、耐糖能障害を起こしました。
この結果について研究者らは人工甘味料によって腸内細菌が炎症を誘発するような物質をつくり出すことで、耐糖能障害を引き起こすのではないかと推察しています。
Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota. Nature, 2014;