コラムColumn
中学生と心の病気
教育、子育て
Posted on 2009.6.18
日本イーライリリーが2008年11月~12月に首都圏の公立中学校を対象に行った調査(507校にアンケートを郵送した結果、163校が回答/回答者は養護教員が92.5%)によると、「こころの健康状態に何らかの問題を持つ生徒がいる」と回答したのが98.7%にのぼり、約半数が「こころの健康状態に問題を持つ生徒が増えている」と回答。「過去3年間にうつ病と診断された生徒がいる」と回答したのが37.3%でした。
増加傾向にあると思われる生徒の特徴としては、
■自分に自信の持てない生徒(64.1%)
■ストレスや悩み事を抱えている生徒(64.1%)
■集中力が持続しない生徒(59%)
■イライラしやすい生徒(51.9%)
■意欲のない生徒(48.1%)
■不登校の生徒(48.1%)
■乱暴な言葉遣いの生徒(39.7%)
■困ったときに相談できる相手のいない生徒(39.7%)
■表情が乏しい生徒(30.8%)
■うつとはいえないが、抑うつ状態の生徒(30.8%)
の順でした。(有効回答数=156/複数回答)
さらにショッキングなのは、「過去3年間に自殺の悩みを相談された」に対しては46.5%もあると回答し、そのうち75%が生徒から相談を受けたと回答しています。
現状の授業で「こころの病気」について学ぶ場合は、「薬物依存症」(81.8%)や「アルコール依存症」(68.2%)がほとんどで、「うつ病」にかんしてはわずか9.1%にとどまりました。
「うつ病に関して授業で取り上げるべき」と回答した人は61.5%に上り、「薬物依存」の63.8%の次に多く、授業で取り上げる必要性を感じていました。
しかし実際には、「授業の必要性は感じるが、どう教えたらいいかわからない」「教えられるほどの知識や情報を持っていない」などの意見が多く、「適切な教材があれば、学校の授業で扱いたい」という意見が多数集まりました。