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【食】アメリカの子供は1日の総摂取カロリーの約40%をジャンクフードから摂っている

教育、子育て食

Posted on 2010.10.8

okasi米国国立がん研究所のJill Reedy,博士と、Susan M. Krebs-Smith博士らが、Journal of the American Dietetic Associationで報告した研究結果によると、アメリカの子供たちが、1日平均に摂取する食事からのエネルギー2200キロカロリーのうち、約半分 は、ピザや炭酸飲料などの“Empty Calorie”でまかなっているということです。“Empty Calorie”とは、本来の英語の意味から考えると「カロリーのない食事」ということですが、実は、カロリーだけあって、ほかの栄養成分がなく、栄養価 のない食品、つまりジャンクフードのようなものを指して使われています。
今回の調査は、アメリカで1971年から毎年行われている「米国全 国健康・栄養調査」(NHANES: National Health and Nutrition Examination Survey)をもとに分析したもので、日本でも厚生労働省が「国民健康栄養調査」として、同様の調査を行っています。これによると、2歳から18歳まで のアメリカの子供たちは、次のような食事の摂取傾向があることが判明しました。
・ドーナツ、クッキー、パイ、ポテトチップスなどの小麦を使ったおやつを1日138キロカロリー摂取している。
・ピザのようなものを1日136キロカロリー摂取している。
・炭酸飲料を1日に118キロカロリー摂取している。
これによって、子供たちが1日の総摂取カロリーの約40%を、“Empty Calorie”に分類される食品から摂取しており、“Empty Calorie”の代表的な食品が、ピザ、炭酸飲料、果糖果汁飲料、乳製品と穀物を使ったお菓子、そして牛乳であることがわかりました。博士らはこの結果 から、「人は本能的に、すぐにエネルギーに換えることができる脂肪と糖を好む傾向があります。しかし、本能だけでなく、現在のTVコマーシャルなどのマー ケティング戦略が、子供たちの食事の嗜好に大きく影響を与えていることも事実です」と分析しています。幼少期からのこのような好ましくない食習慣は、心血 管疾患の原因にもなることから、博士らは、食品会社が、もっと健康に配慮した製品を市場に提供すべきであり、子供たちが成育する環境の中で安易にジュース やジャンクフードなどに接触できないようにすべきだと主張しています。