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【ライフスタイル】第二言語を学ぶ環境にある幼児は知的発達に有利!
教育、子育て
Posted on 2011.1.26
カ ナダ・Concordia大学のDiane Poulin-Dubois教授らがJournal of Experimental Child Psychology 11月30日オンライン版に発表したフランスの研究者らとの共同研究で、バイリンガルの環境で育っている、すなわち第二言語を学習 する環境にある幼児は、単一言語の環境で育っている子供よりも集中力が高く、知的発達に有利であることが明らかになりました。
教授らは生後 24ヶ月の英語とフランス語の2か国語が日常的に使用される環境で生育しているバイリンガル幼児と単一言語だけ使用される環境で生育しているモノリンガル 幼児あわせて63人を対象に研究しました。まず24か月児のバイリンガル能力を調べるために幼児の両親が面接試験と語彙テストでチェックされ、幼児本人に 対して言語テストが実施されました。そしてモノリンガル幼児も含む幼児全員に対して知能の発達状況を調べるために実行機能課題とBayley式乳幼児発達 検査が実施されました。
データを分析した結果バイリンガル幼児はモノリンガル幼児に比べて認知的な混乱を生じさせるストループ課題(意味の 相反する刺激対が同時に呈示され、一方のみへの反応を求めるような概念間に葛藤を生じさせる課題)の成績が明らかに良いことがわかりました。この結果から 教授は、幼児は発達早期から第二言語に曝されることで、注意制御の発達が促進されるというバイリンガル環境の知的発達に対するプラスの効果が明らかになっ たとしています。