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【ライフスタイル】飲酒開始年齢が低いほど自棄酒や大酒に陥りやすい!
教育、子育て食
Posted on 2011.3.17
ドイツ・ハイデルベルグ大学のRainer Spanagel 教授らが、Alcoholism: Clinical & Experimental Research 2011年3月15日オンライン版に発表した研究で、初めてお酒を飲んだ年齢が低いほど、その後の心的ストレスなどに誘引される自棄酒や飲酒嗜癖が増加することが明らかになりました。
教授らは幼児期から青年期に至る期間中の早期リスク要因のもたらす結果を、長期間にわたって調査する研究プロジェクトの調査対象集団から抽出された306人(男性140人女性166人)を対象に、①初めて飲酒した年齢、②過去3年間に生じたストレスフルな人生上の出来事(失職や家族との別離など)、③調査に先立つ1ヶ月間の日々における日常の苛立ちごと(daily hassles)、④22歳時点での飲酒行動、⑤現在のアルコール消費量、⑥調査に先立つ1ヶ月間の飲酒頻度・飲酒日数、が調べられました。
調査の結果、最も早く飲酒した年齢は8歳で、調査対象者の約半数が14歳までに飲酒を経験していました。データを分析した結果、飲酒体験が早ければ早いほど、ストレスフルな出来事と飲酒の相関性が高まることがわかりました。
そして飲酒の日数ではなくトータルの飲酒量とだけ相関があること、つまりより早くからアルコール飲料を経験した人ほど大きなストレス(日常の苛立ちごとではなくストレスフルな人生上の出来事)があると杯が進み、大酒・深酒し易くなっていることが明らかになりました。
この結果から博士らは、アルコール依存症などの予防のため、アルコール飲料を飲み始める年齢をできるだけ遅らせる、若年での飲酒体験をできるだけ避けさせるように、予防プログラムが策定されなくてはならないとしています。