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【メディカル】妊婦の血液を調べれば胎児の性別が判別可能!
教育、子育て
Posted on 2011.8.17
米国・ジョンズ・ホプキンス大学のStephanie Devaney博士らがJournal of the American Medical Association(JAMA)2011年8月10日号に発表した研究で、妊婦の血液中に浮遊している胎児のDNAを調べることで、生まれてくる胎児の性別を、正確に判別することができることが明らかになりました。
妊婦の血液中に胎児のY染色体DNA(これがあれば胎児は男児)が浮遊して存在することは、1997年に初めて発表されましたが、博士らはそれ以降1997年1月から、2011年4月までの間に発表されたこの妊婦の血中にある胎児のY染色体DNAに関する研究のうち、57の研究についてメタ分析を行いました。
分析した57の研究には妊娠期間中の妊婦から採取された合計3.524人の男児と3017人の女児についてのデータが存在し、それらについて分析研究が実施されました。
データを分析した結果、妊娠7週目以降に関して妊婦の血液を検査して、胎児のY染色体DNAを検出する感度が95%(胎児が男児である場合の検出率)で、特異度99%(胎児が女児の場合Y染色体DNAを検出しない率)であることがわかりました。
博士らは柔毛採取や羊水穿刺などの、妊婦と胎児にリスクを伴う侵襲的な方法と違い、非侵襲的な血液のみで検査できるこのDNAによる方法が、正確(20週以降では感度99%特異度99.6%)であることがわかったので、今後は胎児の性別判別と性別に関連する遺伝病を調べるためなどに役立つ、安全な代替検査法となり得るのではないかとしています。