コラムColumn
【メディカル】2000g以下で産まれた低出生体重児は自閉症スペクトラム障害リスクが5倍!
教育、子育て病気
Posted on 2011.10.23
米国・ペンシルベニア大学のJennifer Pinto-Martin博士らが、Pediatrics 2011年10月17日オンライン版に発表した研究で、2000g以下で誕生した低出生体重児 の自閉症スペクトラム障害リスクが、2500g以上で産まれた赤ちゃんの5倍であることが明らかになりました。
自閉症スペクトラムとは自閉 症、アスペルガー症候群(高機能自閉症)、特定不能の広汎性発達障害などでみられる対人関係やコミュニケーションの発達障害を、それぞれ独立したものでは なく、自閉を核とした連続的なものであるとする概念ですが、博士らはこれまで低出生体重児において、そのリスクが高いのではないかと言われていたことか ら、1984年から1989年にかけて、ニュージャージー州で2000g以下の体重で産まれた低出生体重児1105人を対象に、21歳まで継続的に調査し たデータを分析しました。
16歳時点と21歳時点で、質問紙によるスクリーニング、と専門医師によって、自閉症スペクトラムであるかどうかがスクリーニングされ、診断されたデータによると、出生時体重が2000g以下であった調査対象者の5%が、自閉症スペクトラムと診断されました。
一般に2500g以上の体重で出生した子供が、青年期に自閉症スペクトラムであると診断される出現率が1%程度であることと比較して、5倍のリスクであることが明らかになったということです。
博 士らはこの結果から、自閉症スペクトラムの子供の場合、できるだけ早く彼らをサポートし、専門家の協力により介入していくことが、能力の改善につながり、 家庭生活や学校生活に適応していくことが可能になっていくので、低出生体重児の場合は、早期にスクリーニングをし、もし自閉症スペクトラムの疑いがある場 合は、しっかりとした専門家の診断を受けることが望まれるとしています。