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【ライフスタイル】好奇心を持つことが学業や研究で成果を出すためには重要な要素!

教育、子育て

Posted on 2011.11.5

koukisin英語にはCuriosity killed the cat(好奇心もほどほどにしないと痛い思いをする)という生命力の強い猫でさえ、好奇心が旺盛過ぎて身を危険に晒すのだから、いろいろなことに関心を持 ちすぎるな、という諺があります。我々からすると、英国人といえば冒険心や好奇心に富んだ偉大な人物が多いので、好奇心を持つことが良いことのように、積 極的にとらえられているのかと考えがちですが、そうでもないようです。
しかしながら好奇心こそ、学業や学問で好成績を上げるために重要な、なくて はならないものであることが、英国・エディンバラ大学のSophie von Stumm博士らが Perspectives in Psychological Science 2011年11月号に発表した研究で明らかになりました。
博士らはこれまでの学習心理学の研究から 言われているように、学生の学業成績を予測するものが、その学生の知能と努力に対する姿勢だけなのか、他の重要な要素はあるとすれば、それは何かを見出す ために、これまでに発表された学生の性格や知能などと、成績の関係などを調査した、約200件の研究(調査対象の学生数は合計約5万人)を、メタ分析しま した。
その結果、学業成績には、知能が単独で最も大きな影響を与える要素であることには間違いありませんでしたが、その学生の持つ好奇 心の強さも成績に直接影響を与える要素であり、またまじめさ(学業に誠実に対処する姿勢)と同様の影響力を持っていることがわかりました。そして好奇心と まじめさを合わせた影響力は、学業達成に対して知能と同じ程度の強さがあり、これまで考えられていたよりも、大きな影響力を持っていることが、明らかにな りました。
この結果から博士は、学生が積極的な学習者として学業に取り組むように学生の好奇心を大いに喚起することが教師の勤めとして大変に重要だということが改めて示されたのではないかとしています。