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【ライフスタイル】口腔衛生が悪い子供は成績が悪化する!

教育、子育て

Posted on 2012.8.16

ha「口は万病の元」としばしば言われますが、虫歯や歯痛など口腔内の衛生状態が悪化している子供は、学業成績に大きな問題を抱えており、そうでない子供に比べて成績が悪いことが、米国・南カリフォルニア大学歯学部のRoseann Mulligan博士らがAmerican Journal of Public Health 2012年9月号に発表した研究で明らかになりました。
博士らは以前の研究で、ロサンゼルス近郊に在住する社会経済的に非常に不利な状況にある家庭の小中高校生の73%に虫歯があることを確認しており、今回の研究では、そうした家庭環境の小中高生1495人を対象に、口腔衛生状態と生徒の成績、および出席状況を調査しました。
データを分析した結果、同様の社会的背景の子供たちであるにもかかわらず、歯痛がある生徒は、そうでない子供に比べて、4倍も平均以下の成績になりやすいことがわかりました。
また歯痛による欠席に関しても、小学生で平均年間2.1日(平均年間総欠席日数は6日)中高生では平均2.3日(平均年間総欠席日数2.6日)にも上り、歯痛が大きな欠席要因であることも明らかになりました。
さらにあまり恵まれた労働環境にあるとは言えない彼らの両親が、子供の歯痛のために平均で年間2.5日も仕事を休んでいることもわかりました。
博士らの調査によると調査対象となった生徒のうち、健康保険がないことや交通手段の無さなどの条件によって歯科診療を受けることが困難な子供の11%が歯痛で欠席するのに対し、歯科診療を受けやすい環境の子供の欠席は4%に過ぎませんでした。
この結果について博士らは、社会経済的に恵まれない条件で生育している子供たちは、歯痛など口腔衛生上の問題で欠席が増え、成績が悪くなることを今回の研究結果は示しており、学校を基盤とした口腔衛生プログラムが推進されるべきであるとしています。