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【ライフスタイル】男性の不眠症と短時間睡眠は死の危険を増大させる!
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Posted on 2010.9.7
米国・ペンシルベニア州立大学医学部のAlexandros N. Vgontzas教授らがSLEEP 9月号に発表した研究で、慢性的な不眠症と客観的に観測されたデータに基づいて、睡眠時間が短い男性は、そうでない人に比べて死亡率が高いことが明らかになりました。
教 授らは741人の男性(調査開始時点の平均年齢50歳)と1000人の女性(調査開始時点の平均年齢47歳9を対象に、睡眠に関する包括的なそれまでの個 人の状態を問診し、健康診断をしました。さらに被験者を研究室で一晩泊めて、睡眠ポリグラフを使用して睡眠状態のデータを収集しました。
男性被験者は14年後まで追跡調査、女性被験者は10年後まで追跡調査しました。その結果、調査期間中に男女あわせて248名が死亡し(死亡率は男性 21%、女性5%、)ましたが、男性では睡眠状態が良い人達の死亡率が9.1%だったのに対し、不眠症で実験時に6時間以下しか眠れなかった短時間睡眠の 男性の死亡率は51%にも達していました。
さらに健康診断の結果などから得られている高血圧や糖尿病などを含む他の要因の影響を除いても、 不眠症と6時間以下の短時間睡眠が男性の死亡率に大きな影響があることが明らかになりました。女性では不眠症も短時間睡眠も死亡率に影響を与えていません でした。また、高血圧や糖尿病であり、かつ不眠症や短時間睡眠の場合、死亡率は飛躍的に高まっていました。
この結果から准教授は、不眠症や短時間睡眠の健康リスクは、これまで軽く見られていたが、健康上の問題として特に男性では重視されるべきであり、他の成人病を併発している場合、医療的にも不眠の改善が優先されるべきだとしています。