英国・レスター大学のAndrew Colman教授らがCognitive　Psychology　11月号に発表した研究で、人間は2人でペアを組んだ場合は2人の間で話し合ったり協力 するために意識的に何かを行わなくても、以心伝心で直感的に協力することを学習できるが、3人以上になるときちんとしたコミニュケーションをお互いにとら ないと上手く協力しあうことが出来ないことが実験から明らかになりました。
教授らはコンピューターを使用して2つのボタンのどちらかを押す とお金を獲得し、もう一方を押すとお金を失うというルールのゲームなど、いくつかの実験を2人組とそれ以上の人数のグループで行ないました。実験は参加者 には秘密にされていましたが、組んだ隣の仲間がどちらのボタンを押すのかによって、自分がお金を獲得できるかどうかが決まっていました。なんども繰り返し て勝負していくうちに、2人組は次第に勝ちが負けを上回るようになっていきましたが、3人組以上の場合は、何度繰り返してもそうなりませんでした。
この実験結果から教授は、結婚しているカップルや、ペアを組んでいる仕事上のパートナーではこのように直感に基づく以心伝心の協力関係が可能ですが、3人以 上のグループになった場合は協力しあうためには明示的なコミニュケーションと計画が必要であり、協力関係を進めていくためには何らかのメカニズムが求めら れるとし、直感的な協力関係はあくまで2人組でしか生じないとしています。