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【メディカル】日本では未認可のニキビ治療薬イソトレチノインとうつ病、自殺の関係

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Posted on 2010.11.23

nikibiイソトレチノイン(アキュテイン)は、さまざまな副作用があることから、日本では認可されていないニキビ治療の内服薬ですが、アメリカでは20年以上も治療されています。主な副作用は、妊娠中の内服による胎児奇形、肝機能障害、粘膜の乾燥、そしてうつ病や自殺行為などが指摘されています。中国でも、イソトレチノインの長期服用による幻覚症状やうつ病、自殺者のニュースが取り上げられています。
スウェーデンのストックホルムにあるカロリンスカ研究所のAnders Sundstrom博士らが、British Medical journalのオンライン版に発表した内容によると、博士らはイソトレチノイン治療を行った15歳~49歳の5757人を分析。この中で128人が自殺未遂を起こし、24人が自殺して亡くなっていました。さらに詳しく分析してみると、治療が進み、長期化していくうちに自殺未遂率や自殺率もわずかながら上昇していることが判明。
これについて博士らは、にきび治療薬イソトレチノインと自殺衝動の関係を述べる際に、重症のニキビによる心理的なストレスについても考慮すべきだが、やはりイソトレチノインを処方した場合、患者の心理的な状態、特にうつ的な症状や自傷行為について、十分に観察する必要があると述べています。