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【ライフスタイル】人は起きている時間の半分は今・現在のことに上の空-これが人を不幸させる
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Posted on 2010.11.24
米国・ハーバード大学のDaniel T. Gilbert教授らがScience 11月12日号に発表した研究で、人は起きている時間の47%を今現在行っていること以外のことに思いをめぐらしており、そうした気もそぞろ、上の空の状態が、人を不幸な気持ちにさせることがわかりました。
教授らは2250人のボランテイアの被験者(18歳から88歳、74%が米国人、社会経済的背景や職業は多種多様)を対象に、iPhoneウェブ・アプリを使用した調査研究を行いました。
内容は被験者に対しiPhoneウェブ・アプリ経由でランダムな時間間隔で今どの程度幸せか、今何をしているか、今していることについて考えているか、それとも他のことを考えているのか、そしてそれは楽しいことか、嫌なことか、どちらでもないかについて尋ねられました。
被験者は今している行動について22の一般的な行動ジャンル(歩いている。食事中、買い物中、テレビ視聴中など)から選択し、回答するようになっていました。被験者の回答データを分析した結果、彼らは起きている時間の46.9%の時間を何かに集中することなく、さまざまなことに思いがさまよっており、何かしている時(メイク・ラブは除く)でも、30%以上の時間がそのこと以外のことに、気持ちが向いていることがわかりました。
またメイク・ラブ、運動、会話をしている時が最も幸福を感じる時で、何もしていないとき、働いているとき、家でパソコンを使っている時が、最も幸福を感じないときであることも明らかになりました。
教授は多くの哲学的宗教的な教えが幸福感は「今・ここ」に気持ちを集中することにあるとしているが、データを分析した結果、心が今現在している活動に向かっていないこと、気持ちが上の空でいることは不幸の結果ではなく、心があれこれさまよってしまうことが不幸の原因となっていることが示唆されたとしています。