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【メディカル】血圧と学歴は反比例!?アメリカでは高学歴者のほうが血圧が低い
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Posted on 2011.3.2
米国では30年に渡る長期の比較の結果、最終学歴が高校卒業までの人は、大学卒業以上の人に比べて、最高血圧が高いことが、ブラウン大学のEric Loucks博士らがBMC Public Health 2011年2月28日オンライン版に発表した研究で明らかになりました。
博士らは1971年から2001年まで30年の長期間、継続してデータを収集したFramingham Offspring Studyという調査の対象者3890人(開始時の平均年齢36.7歳、男性48%女性52%)のデータを分析しました。
被験者の学歴を修学年数ごとに12年以下のグループ(高校卒業まで)、13-16年(短大、専門学校レベル)、17年以上(大学卒業以上)の3グループに分け、30年間の平均最高血圧のデータに関して、年齢要因を調整し上で比較したところ、12年以下グループの男女の最高血圧が、17年以上グループよりも、統計的有意に高いことがわかりました。
さらに調査対象者の降圧薬の服用、喫煙習慣、アルコール飲料の消費、BMI値、などの要因を調整したうえで比較すると、差は減少しましたが、女性は統計的に有意差がありました(男性も差がありましたが統計的に有意であるほどではなくなりました)。
博士らがさらに血圧に影響を与えるような要因を除いて、教育年限のみの違いで比較するモデルを抽出し比較したところ、最終的に女性に関しては12年以下グループが17年以上グループより最高血圧が統計的に有意に高いことが明らかになりました。一方、最低血圧では修学年数によるこうした有意さは現れませんでした。
博士らは、こうした結果は、おそらく学歴が低い女性は高いストレスにさらされるような職業に就くことが多く、また不健康な食生活になりがちであることによるのではないかとしています。