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【メディカル】男と女の頭蓋骨の顔が昔よりも似てきた!
その他
Posted on 2011.4.7
米国・ノースカロライナ州立大学のAnn Ross准教授らがForensic Science International 2011年3月号に発表した研究で、400年ほど昔に比べて、最近の人間の頭蓋顔面は男女の差が少なくなっていることがわかりました。
人類学を研究する准教授らはしばしば研究において過去の人間の残した骸骨を分析しますが、とりわけ頭蓋顔面の特徴から男女の区別をすることが重要なポイントであるということです。
今回の研究で准教授らは、16世紀から20世紀にかけてのスペイン人の頭蓋骨200体以上と20世紀のポルトガル人の頭蓋骨約50体を比較し分析しました。
そ の結果、スペイン人の頭蓋顔面は時を経るに従い男女とも変化して16世紀のスペイン人と比べて、20世紀のスペイン人の頭蓋顔面ではその特徴に関する男女 差が少なくなっていることが明らかになりました。特に女性の変化が著しく、例を挙げると20世紀のスペイン女性の顔面構造は16世紀のスペイン女性より ずっと大きくなっており、これが男女差が減って似てきた要因となっていました。
准教授はこの女性の変化は、栄養状態の改善や、その他の環境要因による可能性が高いとしています。また20世紀のポルトガル人の頭蓋顔面も同様であり、イベリア半島エリア共通の変化であることもわかりました。
こうした結果から准教授は、現代の頭蓋骨の特徴を基準として歴史的遺物で発見された過去の人骨を判断することは、男女差が時代とともに変化していることからも間違ってしまう可能性が高いので、注意しなくてはならないとしています。