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【食】太っている犬はクール?! 性格ではなく体温が本当に低い。
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Posted on 2011.8.18
米国・サウスカロライナ大学のRoberto Refinetti教授らが、International Journal of Obesity 2011年8月号に発表した研究で、太っている犬は痩せている犬よりも体温が高いことがわかりました。
教授らは世界中で増加する肥満の原因の1つとして、肥満する人はエネルギー代謝効率が痩せている人よりも良いために、必要とするエネルギーが少なくても十分 であるにもかかわらず、文明化した社会の高カロリーになりがちな食生活のために、肥満になるのではないかと考え、人間と同じ哺乳類で恒温動物の犬の場合は どうであるのか調査研究しました。
教授らはエネルギー効率の良さは、恒温動物の場合、基礎体温の高低に表れ、体温が低いほうが、よりエネル ギー効率が良く、結果として太っているのではないかと考え、体のサイズのバリエーションに富んださまざまな血統から選ばれた115頭の標準体重の成犬と、 172頭の肥満の成犬を対象に調査を実施しました。調査は7-10年継続され、体温は直腸で測定され記録されました。
データを分析した結 果、大きさが同じ犬の場合、太っている犬のほうが痩せている犬よりも体温が低いことが明らかになり、また大きな犬は小さな犬よりも体温が低いことがわかり ました。教授は体温が低いタイプの、エネルギー効率の良いタイプの犬は太りやすく、これは本来より多くの運動をすることで標準体重に保たれることを示して いるとし、人間に関しての調査は、これからではあるが、犬と同様にエネルギー効率の良い体温が低い人は、現代社会で肥満を避けるには、よりわずかな食事し か摂らないか、より多く運動をするという、なかなか困難な生き方をしなくてはならないので、大変であるとしています。