コラムColumn
【ライフスタイル】マーフィーの法則を破る方法~「最悪のシナリオ」で言い訳しない!
その他
Posted on 2011.12.25
「失敗する方法があれば、誰かがその方法でやる」「洗車しはじめると雨が降る」などで有名な「マーフィーの法則」は米空軍研究所のエ ンジニア、マーフィー大尉の名前に由来するもので、全米でベストセラーになりました。「マーフィーの法則」は、人の過ちや失敗を甘受するもので、日本でも 「泣きっ面に蜂」や「サラリーマン川柳」など、自虐的な状況を笑い飛ばすような表現は人気です。
カナダモントリオールのNicolet Chartrand Knoll社のFranz Knoll氏が2012年のInternational Journal of Reliability and Safetyに掲載予定の研究によると、人が作ったさまざまな産業製品の欠陥や欠点は、人による過失、注意力の欠如、コミュニケーション不足、能力不足な どによるもので、人はそれを見つめたくないがために、「マーフィーの法則」を引き合いに出したり、「神の仕業」などと不可抗力的な言い訳をすると指摘して います。
Knoll氏は科学の進歩によって、人は「マーフィーの法則」に頼る必要がなくなっていると指摘します。たとえば科学的な分析やテ ストによって、地震、ハリケーン、津波、火山活動なども早期に予知できるようになっていますが、人はしばしばそれらの自然災害が引き起こす「最悪のシナリ オ」を引き合いにして、人的ミスを隠してしまうことがあると、研究者は指摘しています。
またビルや橋の建設では、入札制度などによる激しい 価格競争によって、ロールスロイスをフォルクスワーゲンの価格で作るような経営を強いられてしまいます。しかしひとたび失敗や過失を犯した時、人は「マー フィーの法則」を使って不測の事態の言い訳を考えて「真相究明」から逃げてしまっていると指摘します。
研究者は、人がミスを犯さないように するためには、「事故や過失は不可避的なもの」と考えずに、不測の事態に備えた経営管理、生産管理を行い、過失や事故があった場合、「マーフィーの法則」 で真実を埋葬してしまうのではなく、その原因究明を徹底的に行い、それを次の教訓として生かすべきだと述べています。