猫アレルギーは、子供の頃に猫を飼った経験がなく、猫以外のアレルギーがあり、さらに猫を自分の寝床に入れていることによって猫のフ ケにアレルギー反応を起こしている場合が多いことが、イタリアヴェロナ大学Giuseppe Verlato博士らの研究で明らかになり、2011年12月27日のオンライン版Journal of Allergu and Clinical Immunologyに発表されました。
これは1991年から1993年に行われたヨーロッパ共同呼吸器健康調査（ECRHS）という大規 模な喘息を中心とした呼吸器疾患に関する疫学調査の結果をもとに分析したもの。その後、追跡調査が1999年から2002年にも行われました。研究に参加 した18536人の参加者のうち、14138人に対してネコ特異的免疫グロブリンE（ネコ特異的IgE）の有無を測定しました。
調査の結 果、猫以外のアレルギーを起こした経験のある人は、経験のない人に比べて猫アレルギーを起こすリスクが高いことがわかりました。喘息に罹患した経験のある 人は1.49倍、アレルギー性鼻炎の罹患歴のある人は1.66倍、アトピー性皮膚炎の罹患歴のある人は1.34倍ほど罹患歴のない人に比べて、猫アレル ギーになるリスクが高いことがわかりました。また子供の頃に猫を飼った経験のある人はない人に比べて、猫アレルギーを起こすリスクが約半分に低下すること がわかりました。
この結果について研究者らは、猫アレルギーを起こすか起こさないかについては、子供の頃に猫を飼った経験があるかないか、そしてアレルギーの罹患歴があるかどうかが大きく関係しているといえるため、猫を飼う場合はこれらについて配慮すべきだと述べています。