コラムColumn
【ライフスタイル】あなたの予測する自分の寿命が結婚、離婚、出産などの決断に大きく影響する!
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Posted on 2012.4.23
日本でも昭和世代までは60歳の定年前に、最後の子供が大学卒業を迎えるようにと、家族計画を立てる人が多かったようですが、自分が何歳まで生きているのか、という自分の寿命に対する予測が、その人の人生上の大きな決断、例えば結婚、離婚、出産、妊娠中絶などに、大きな影響を与えているとする研究が、カナダ・クイーンズ大学のDaniel Krupp博士によって、Archives of Sexual Behaviour 2012年4月7日オンライン版に発表されました。
博士はカナダの人口統計などを使用して分析しました。その結果、自分の寿命をより長く予測している人ほど、長期間教育を受けようとし、一方で短めに予測している人ほど、早く結婚して早く子供を持ち、また離婚するよりも、現在のパートナーに執着する傾向が強いことがわかりました。
つまり寿命の予測が潜在的に人生の大きな問題、生物学的に言えば繁殖にまつわる決断に、大きな影響を及ぼしている可能性が高いことが、統計的にわかったということです。
実際に自分がいつまで生きられるかということは、誰も正確に予測することはできませんが、健康状態や職業、自分の家系の寿命や病歴など、自分の寿命を推測するためのバックグラウンドデータは、誰しも意識せずとも知っているもので、そうしたことが影響していると博士は分析します。
そしてこれらのデータから得られた分析結果は、最近発展している生態学と進化論から派生した霊長類など、動物に適応される繁殖と、資源配分に関する「生活史理論life history theory」の仮説が、人間にも当てはまることを確認したことになったのではないかとしています。