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【ライフスタイル】他者へのやさしさは遺伝による!

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Posted on 2012.5.19

yasa米国・ニューヨーク州立大学バッファロー校のMichel Poulin博士らがPsychological Science 2012年3月28日オンライン版に発表した研究で、他者へのやさしさ、寛容さや親切心は、家庭の教えなどの教育環境だけではなく、遺伝 的な要因が関与していることが明らかになりました。
博士らはこれまでの研究で、オキシトシンとバソプレシンいうホルモンが人間の他者への行 動パターンや、行動様式に大きな影響を持つことが知られていることから、これらのホルモンが個人の社会的行動に、どのように関与しているのかを、そして社 会行動の個人差の原因が、そうしたホルモンの影響によるものかどうかを詳しく研究しました。
オキシトシンは母性的な行動、すなわち養育行動 と他者への保護的な行動に大きな影響を持つことが知られていますが、今回の研究では、被験者の具体的な向社会行動(奉仕活動、献血、納税、犯罪の報告、裁 判員への参加など)と、世界に対する意識などと、ホルモンと関係が分析されました。
研究では711人の被験者の唾液が、DNA分析用サンプ ルとして採取され、彼らのオキシトシンとバソプレシンの受容体の遺伝子多型が分析されました。同時に被験者は、上記のような市民としての行動パターンと世 界認識(性善説か性悪説か、周囲の世界に対して楽観論か悲観論か、信頼心が強いか恐怖心が強いかなど)についても調べられました。
分析の結 果、上記のホルモンの受容体の遺伝子多型が、個々人の向社会行動と世界観と関係しており、行動パターンがよりやさしい人々の持つ遺伝子多型が存在し、こう した遺伝子を持つ人は、そうではない人と比べて恐怖に打ち勝って積極的に人助けをする、他者へのやさしさに溢れた人であり、そうした行動に向かいやすいこ とが明らかになりました。
この結果について博士は、単純にやさしさ遺伝子が見つかったと理解されては困るが、そうした行動を人に積極的に取らせることに関して、遺伝子の影響があることは明らかになったとしています。