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【ライフスタイル】喫煙が骨を劣化させるメカニズムが明らかになった!

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Posted on 2012.7.30

kitu20年ほど前から喫煙することが骨粗しょう症や骨折リスクを高めていることは知られていましたが、米国・ネブラスカ州・クレイトン大 学医療センターのGary Guishan Xiao博士らが、Journal of Proteome Research 2012年7月号に発表した研究で、喫煙がどのようなメカニズムで骨を劣化させているのかが明らかになりました。
博士ら はこれまでの研究で、紙巻タバコの喫煙が、新しい骨組織を生成する骨芽細胞と古い骨組織を、再吸収する破骨細胞の活動を弱めることで、骨粗しょう症などに 繫がっていることが示唆されていたことから、今回の研究では、喫煙者と非喫煙者の骨髄細胞をプロテオミクスの手法で詳しく分析し、そのメカニズムを明らか にしようとしました。
その結果、喫煙者では骨を再吸収する破骨細胞の生成を促す2種類のタンパク質(S100A8とS100A9)が、非喫煙者に比べて異常に大量に生み出されていることがわかりました。さらにマウスを使用した実験でも、同じ現象が観察されました。
博 士らによれば、タバコの喫煙により喫煙者の体内で古い骨組織を吸収する通常の身体で生じる活動が、この2種類のタンパク質が過剰に産生されることで促進さ れ、それが引き金となって、骨粗しょう症など骨の劣化となって現れるメカニズムがあることは間違いないということです。