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新型コロナウイルスに対する抗インフルエンザ薬アビガンの効果検証

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Posted on 2020.3.26

新型コロナウイルス治療薬に関する治療効果を検証した中国での臨床研究結果が報告され、2020年3月18日付のオンライン版「Engineering」で発表されました。これによると、新型コロナウイルス感染患者35人(平均年齢43歳)に一般名「ファビピラビル」(FPV:商品名「アビガン」:坑インフルエンザ薬:富士フィルム富山化学が開発・製造)を経口投与  (1日目:1600 mgを1日2回、2~14日目:600 mgを1日2回)、これにエアロゾル吸入によるインターフェロン(IFN)-α(500万Uを1日2回)を投与 したグループと、一般名「ロピナビル・リトナビル」(LPV/RTV:商品名「カレトラ」:抗HIV薬)を経口投与( 1〜14日目:1日2回400 mg / 100 mg)とエアロゾル吸入によるIFN-α(1日2回500万U)を投与した患者45人(平均年齢49歳)を比較コントロール群として、検証しました。その結果、胸部CT画像所見による改善率は、FPV群91.43%に対して、LPV/RTV群が62.22%でした。さらに副作用の発生については、FPV群が11.4%でLTV/RTV群は55.6%、ウイルスを体内から除去するのに要する平均日数が、FPV群が平均4日に対してLPV/RTV群は平均11日だったということで、ファビピラビル(アビガン)の有効性が報告されています。

ただし、ファビピラビル(アビガン)の使用は、新興型・新型のインフルエンザ感染症で、他の抗インフルエンザ薬が無効・効果不十分の患者に対して、国が使用すると判断した場合のみに制限されています。さらに細菌感染症には効果がないこと、妊婦や妊娠可能性のある女性には投与しないこと、小児の投与経験がないことなどの注意点があります。

 

【出典】Experimental Treatment with Favipiravir for COVID-19: An Open-Label Control Study, Engineering online, 18 March 2020.

https://doi.org/10.1016/j.eng.2020.03.007