新型コロナウイルス感染症予防のためにマスクの着用がスタンダードになる中、市販の医療用使い捨てマスクではなく、手作りのマスクでおしゃれを楽しむ人が増えました。中にはマスクにアクセサリーをつけて楽しむ人も。味気ないマスクよりも、マスク生活を楽しむという意味では、良い試みだと思いますが、実は手作りマスクの感染予防効果は、医療用マスクに劣らない実力を発揮してくれることが明らかになりました。

この研究は、米国イリノイ大学工学部が行ったもので、2020年10月号の『Extreme Mechanics Letters』に掲載されます。研究では、医療用マスクと家庭にある一般的な布地（タオル、キッチンクロス、新品のＴシャツ、着古したＴシャツ、キルティングの布、シーツなど）で作ったマスクを使い、話をしているとき、咳をしたとき、くしゃみをしたときのエアロゾル粒子の飛散状況を測定したもの。その結果、家庭にある布で作ったマスクでも十分な感染予防効果があり、さらに布地を2、3枚に重ねることによって、医療用マスクと同等の飛沫遮断効果が得られることがわかりました。

【出典】

Onur Aydin, Bashar Emon, Shyuan Cheng, Liu Hong, Leonardo P. Chamorro, M. Taher A. Saif. Performance of fabrics for home-made masks against the spread of COVID-19 through droplets: A quantitative mechanistic study. Extreme Mechanics Letters, 2020; 40: 100924 DOI: 10.1016/j.eml.2020.100924