コラムColumn
重たい布団で不眠症が改善
その他心理美容
Posted on 2020.10.13
日本では昔から綿をたっぷり使った布団を使い、 それが徐々に湿気やほこりで重く薄くなり、 重たい布団は寝苦しく感じさせるもので、布団の上げ下ろしにも一苦労していました。そんな過去の習慣から、 最近では軽くて暖かい羽毛布団が人気です。しかし実は、 ある程度の重さがある掛け布団が、 不眠症改善の効果を発揮することが明らかになりました。これは、 スウェーデンのカロリンスカ研究所が発表した研究結果によるもの で、2020年9月の『Journal of Clinical Sleep Medicine』に掲載されました。
この研究には、大うつ病、双極性障害、全般性不安障害、 注意欠陥多動性障害などの精神疾患を抱え、 なおかつ不眠症を訴える平均年齢約40歳の患者120人 (女性68%、男性32%)が参加しました。参加者は、 加重した掛け布団を使用するグループと、 軽い掛け布団を使用するグループに分けられ、 4週間の睡眠状況や各種データを比較しました。
加重毛布は数種類の重さの中から選ぶことが可能で、最初に全員が8㎏( 約17.6ポンド)のチェーンブランケット( 布の内部にプラスチックのチェーンを入れて重さを加えた掛け掛け 布団)を試しました。しかし 10人の参加者はそれが重すぎることに気づき、代わりに6㎏( 約13.2ポンド)の加重掛け布団を受け取りました。 対照群の参加者は、1.5㎏(約3.3ポンド) の軽いプラスチック製のチェーンブランケットで寝ました。 主要な結果である不眠症の重症度の変化は、 不眠症の重症度指数を使用して評価されました。 同時に手首アクチグラフ( 睡眠と覚醒の時間を測定するために利き腕でない手首に装着する機 器)を使用して、睡眠と日中の活動レベルを推定しました。
その結果、加重掛け布団のユーザーは約60%
【出典】
Bodil Ekholm, Stefan Spulber, Mats Adler. A randomized controlled study of weighted chain blankets for insomnia in psychiatric disorders. Journal of Clinical Sleep Medicine, 2020; 16 (9): 1567 DOI: 10.5664/jcsm.8636