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うつが体重増加に関係している

その他心理老化肥満

Posted on 2024.7.5

うつ的な気分は体重を増加させるリスクがあることが、英国ケンブリッジ大学の研究で明らかになり、2023年1月の「PLOS ONE」でその研究成果が紹介されました。ただしこの研究では、もともと過体重または肥満の人がうつに陥ると、短期間で体重増加を起こし、その増加率が大きいことが明らかになったものの、うつ傾向の強さがより多くの体重増加を起こすという関連性はみられませんでした。

この研究では、ケンブリッジ大学の周辺に住む2000人を対象に、Huma Therapeutics Limitedが開発したモバイルアプリを使用して、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中(2020年8月から2021年4月まで)最長9か月間、毎月、精神的健康と体重に関するデジタルアンケートに回答しました。この回答から、個人のうつ病、不安、および知覚されたストレスの症状を評価しました。

次にチームは統計モデリングを使用して、精神的健康状態が通常より劣っていることが 1 か月後の体重の変化と関連しているかどうかを調査しました。その結果、通常の抑うつ症状のスコアが増加するごとに、1か月後の体重が45g増加することを発見しました。これは微増な体重増加のように思えるかもしれませんが、たとえば、うつ病の症状スコアが 5 から 10 に上昇した個人(うつ病の症状が「軽度」から「中等度」に増加したことに相当)では、平均 225g の体重増加に関係することを意味します。

さらにこの効果は、過体重 (BMI 25 ~ 29.9kg/m2 と定義) または肥満 (BMI 30kg/m2 以上) のみ観察されました。 過体重の人は、通常の抑うつ症状スコアからの増加ポイントごとに平均 52g 増加し、肥満の人では同等の体重増加が 71g でした。

この結果について研究者らは、過体重または肥満の人は、より憂鬱な気分に反応して体重が増加しやすいことを示唆していることが判明したと述べ、体重増加は比較的小さかったが、たとえわずかな体重変化であっても、長期間にわたって発生していることに注意が必要で、特に過体重や肥満の人では、短期間での体重変化が長期的にはより大きな体重変化につながる可能性があることを指摘しています。

さらにBMIが高い人は、すでに他の健康状態のリスクが高いため、うつによる体重増加がさらなる健康状態の悪化につながる可能性があります。過体重または肥満の人のうつ症状をモニターし、対処することは、さらなる体重増加の防止に役立ち、健康状態のさらなる悪化につながる可能性があると述べています。

【出典】 Julia Mueller, Amy L. Ahern, Rebecca A. Jones, Stephen J. Sharp, Alan Davies, Arabella Zuckerman, Benjamin I. Perry, Golam M. Khandaker, Emanuella De Lucia Rolfe, Nick J. Wareham, Kirsten L. Rennie. The relationship of within-individual and between-individual variation in mental health with bodyweight: An exploratory longitudinal study. PLOS ONE, 2024; 19 (1): e0295117 DOI: 10.1371/journal.pone.0295117