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ガツガツ早食いすると太る!

肥満

Posted on 2009.11.24

       
 
ガツガツと早食いすると、食欲を抑制するホルモンの分泌が低下することがわかりました。この研究はギリシアのアテネにあるライコ総合病院のアレキサンダー・コッキノス博士らが2009年10月のオンライン版『Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』に発表したもので、17人の成人男性に300ml、およそ675キロカロリーのアイスクリームを5分で食べさせたときと、30分で食べたときの血中の消化管ホルモン量を観察したところ、満腹感を感じさせるGLP-1とPYYペプチドが30分かけて食べたときのほうがより多く分泌しており、これによって時間をかけて食べることが食べ過ぎを防いでいる可能性を指摘しました。

研究は食後30分後、60分後、90分後、120分後に採血して消化管ホルモンを分析。食欲を抑制するPYYペプチド(YY3-36とも呼ばれ、小腸から分泌される食欲を抑制するホルモンで摂食とともに分泌される)は30分のときが5250pmol/L/min、5分のときが4133pmol/L/minでした。

同じく食欲を抑制するグルカゴン様ペプチドのGLP-1(小腸の下部の細胞から放出される消化管ホルモンで、血糖値の上昇によって分泌が促進され、食欲を抑制して脳の活動を活発にするほか、膵臓のランゲルハンス島β細胞を増殖する働きを持つことから、インスリン分泌低下型の糖尿病の治療薬として注目されている)は30分かけて食べたときで8794pmol/L/min、5分で食べたときで 6219pmpl/L/momでした。

この結果からガツガツ早食いすることが腸の消化管ホルモンの分泌にも影響があり、これが満腹感を感じさせて肥満や過食を抑制することにつながるかもしれないと指摘します。

ちなみにガツガツ早食いすることを英語で"wolfing"と言います。

Kokkinos A, et al "Eating slowly increases the postprandial response of
the anorexigenic gut hormones, Peptide YY and Glucagon-like peptide-1"
/J Clin Endocrinol Metab/ 2009; DOI: 10.1210/jc.2009-1018.