コラムColumn
【食】アメリカで保険適用になったダイエット法
肥満食
Posted on 2010.8.17
アメリカの高齢者や身障者向けの健康保険制度である「メディケア」と「メディケイド」では、歴史のある2つのダイエット法が保健適用となりました。
保 険適用が認められたダイエット法のひとつは「プリティキン・ダイエット(Pritikin Diet)」で1950年頃にネイサン・プリティキン氏が心臓病予防のプログラムとして開発したもの。低脂肪高炭水化物を推奨し、肉、たまご、生成穀物、 砂糖は控えて、全粒粉、野菜、果物を食べるように指導します。運動に関してはプログラムの半ばから取り入れられます。
もうひとつが「オーニッシュ・ダイエット(Ornish Diet)」で1970年代にディーン・オーニッシュ博士が考案した、菜食主義と運動を推奨する心臓病患者向けのダイエット法で、運動と食事、心理療法を組み合わせたプログラムです。
こ の二つのダイエット法が、心血管疾患イベントのリスクを低下させ、冠動脈バイパス手術や、心臓カテーテルによる治療の必要性を減少させるとして Centers of Medicare and Medicaid Services(CMS)が、メディケアを保険適用することができると発表したものです。
メディケアは65歳以上、または身体障害者、慢性腎不全と診断された人が対象になる健康保険制度で、メディケイドは低所得者と身障者に対する医療保険制度です。
いずれにせよ、公的な保険制度でダイエット法を用いた治療法がカバーされるようになったアメリカ。それは裏返せば、食生活の乱れが医療費を逼迫し、なす術がなくなった状況であることを如実に表しているともいえそうです。