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【食】米国人の肥満率は42%まで上昇する見込み!
肥満
Posted on 2010.11.15
我々日本人から見るとほとんどの人が太っているように見える米国人ですが、実際に肥満大国の名に恥じず、BMI値が30を超える肥満者の成人人口に占める割合は、現在34%と推定されています(ちなみに日本人の肥満率はその10分の1の3.4%)。
し かしながら肥満率はまだまだ成長過程にあるようで、ハーバード大学医学部のNicholas A. Christakis教授らがPLoS Computational Biology 11月4日オンライン版に発表した研究によると、彼らの開発した社会的感染数学モデルで、米国人の成人肥満率は少なくとも42%までは上 昇が止まらないと予測されることが明らかにされました。
教授は2007年に32年に渡る長期のデータ分析に基づいて肥満が友人間の相互作用 と社会的ネットワークの影響で拡大していくことを実証した研究を発表しており、その研究で肥満の拡大していく状況を社会的感染(Social Contagion)であるとして注目を集めました。
今回の研究では肥満の拡大要因を①不健康なジャンクフードやデスクワーク中心の体を動 かさない生活様式などライフスタイルの影響度、②友人間の影響のような社会的ネットワークが肥満の増加に及ぼす影響度、③BMI値30以下に戻る可能性、 の3つの構成要素からなるものとしてモデルを作り予測したということです。
研究によると米国人の現在肥満ではない成人はまず①の要因で、1 年あたり2%の肥満になるリスクを持ち、1人肥満者との付き合いがあると、0.4%リスクが増大するということで仮に5人の肥満者と付き合いがあるとそれ が、合計2%で合わせて4%と肥満リスクが2倍になるということです。また痩せる可能性もあり、年に4%の肥満から過体重に戻る可能性も持っていますが、 肥満者が増大している状況では社会的ネットワークの中で肥満者の知り合いは加速度的に増大しているので、肥満リスクもどんどん拡大していくということです (クリスマスカードを交換するような友人に肥満が30人いれば2+0.4×30-4=年率10%なので10年後には肥満になるという計算)。こうして数学 モデルなどから肥満者の割合が人口の42%までは増加すると算出されということです。