コラムColumn
【ライフスタイル】非喫煙者の女性にとって肥満が最大の死への要因!
肥満
Posted on 2011.7.6
これまでの研究で喫煙が人の健康を損ない、死へと向かわせる最大のリスク要因であることが知られていましたが、非喫煙者の女性の場合 は、最も死亡リスクを高めるのは肥満であることが、英国・スコットランド・グラスゴー大学のCarole Hart博士らが、BMJ 2011年6月28日オンライン版に発表した研究で明らかになりました。
博士らは1972-76年にかけて健康 調査の対象に選ばれたスコットランドの住民(調査開始時の年齢45歳から64歳、男性7049人、女性8353人、女性のうち3613人が喫煙経験が全く ない非喫煙者)を、28年継続的に調査し、死因と社会階層、職業、BMI値などとの関係を分析しました。
この調査では特に被調査対象者の職業が、①専門職・管理職・経営者、②頭脳労働の事務職、③熟練労働、④非熟練労働、の4つの階層に分類され、それぞれの職業階層と健康リスク、死亡リスクの関係も分析されました。
データを分析した結果、喫煙者の死亡リスクは、非喫煙者に比べて2倍であり、全くタバコを吸ったことのない非喫煙者の生存率が、職業や社会階層の別なく最も高く、特に非喫煙女性の生存率が最も高いことがわかりました。
さ らに細かく非喫煙女性の中で、職業階層・BMI値と死亡率、死亡原因の関係を分析したところ、非喫煙女性は喫煙女性に比べ職業階層の別なく肥満度が高く、 肥満が死亡リスク要因の最大のリスクであり、また専門性や特殊な技術の必要のない④の非熟練労働に就いていた非喫煙女性の場合は、専門性の高い職業の①、 ②グループの非喫煙女性に比べ、肥満率が高く、肺機能が低く、高血圧の割合が高くなっており、肥満がより死亡リスクを高める要因となっていました。この結 果を分析して、職業階層によらず非喫煙者で痩せている女性の生存率が最も高く、喫煙の継続は死亡リスクを2倍にしていることから、非喫煙女性は肥満に注意 することが長生きの秘訣であるとしています。