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【食】メタボが気になったらスパイシーな料理を食すべし!

肥満食

Posted on 2011.8.20

米国・ペンシルベニア州立大学のSheila West准教授らがJournal of Nutrition 2011年8月号に発表した研究で、スパイシーな香辛料がたくさん含まれている料理は、インスリンと中性脂肪が気になる人にとって、 健康上のメリットがあることが明らかになりました。
准教授は、これまでの研究から香辛料には抗酸化効果を持つものが多く、生活習慣病などの慢性疾患の予防に重要な意味を持つものであると考え、実験研究を行いました。
実 験は抗酸化力の強いターメリック(ウコン)、シナモン、ローズマリー、オレガノ、ガーリックパウダー、パプリカ、以上6種類の香辛料のブレンド14gを 1200キロカロリーの料理として被験者に食べさせ、その効果を調べるというもので、准教授によれば、この6種類のブレンド香辛料14gの抗酸化力は約 150mlの赤ワインもしくは約40gのダークチョコレート(カカオ70-90%)と同等だということでこの量に設定されました。
6人の健 康な過体重の男性被験者(30-65歳、BMI値25-27)を対象に、まず最初の1週間目は比較対照のための料理を食べさせ(ココナッツチキン、ご飯、 チーズブレッド、ビスケット)、次の1週間は上記の香辛料を使用したスパイシーな料理(チキンカレー、イタリアンハーブブレッド、シナモンビスケット)を 1週間食べました。
その間、被験者は食前1回と食後30分おきに、3時間半後まで7回の合計8回血液が採取され、変化が調べられました。採取した血液を分析した結果、香辛料の多い料理の食後は、比較対照の料理の食後と比較して、インスリンが21%、中性脂肪が31%低下していました。
ま た体に良くない活性酸素を消去する力を表す「酸素ラジカル吸収能」は全体としては変わらなかったものの、スパイシーな料理の食後に「親水性酸素ラジカル吸 収能」が13%増加していることもわかりました。准教授らはこの結果から、料理にこうした香辛料を多く使用することは、食後のインスリン、中性脂肪を安定 させ、また抗酸化力も向上させるので日常の食事として積極的にスパイシーな料理を食べるべき、としています。