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【食】カロリー制限だけで思うように体重が減らない理由!
肥満食
Posted on 2011.9.10
米国では2011年現在も相変わらず、肥満者が増加し続けており、大きな社会問題となっていることはご存じの方も多いと思います。増 えた体重をどうやって減らすのか、医療・美容・栄養・エクササイズなどさまざまな方面から多種多様な方法論や理論が提案され、玉石混交の情報が、メデイア に取り上げられることから、いつの間にか誤ったダイエットの常識も定着してしまっているようです。
米国・国立衛生研究所のKevin D. Hall博士らがThe Lancet 2011年8月27日号に、米国でカロリー制限によるダイエットが過度に一般化されており、過剰な体重減少効果が予測されて、独り歩きしていることに警鐘を鳴らしています。
博士らによると、米国では毎日500キロカロリー食事の量を減らせば、1週間で1ポンド(453.6g)体重が減ると言われ、それに基づいたダイエット計画 が建てられることが多いため、非現実的な期待で始まる減量計画が、予測通り進まず、失望とともに終了し、リバウンドしてもとに戻ってしまうことが多いそう です。
もし毎日500キロカロリーずつ食事の量を減らせば、1週間で1ポンド体重が減り続け、これを続けたら、体重300ポンド (136kg)の人の体重が、6年後には0ポンドで消えてしまう計算になります。研究者はこのような基礎代謝量の変化を考慮しない、間違った減量予測の常 識が流布していることに問題があると指摘しています。
体重が減少するに連れ、当然のこととして基礎代謝量も減少していくので、太っていたダイエット開始時点でのマイナス500キロカロリーの食事制限が体重減少したある時点でその人にとって必要十分なカロリーの食事となってしまい、当然それ以上、体重は減らなくなります。
博士らの試算ではカロリー制限の体重減少効果は、最初の1年で50%、3年目までで95%であり、カロリー制限のみによる減量は、少しずつ長期間継続するこ とが有効であるにもかかわらず、結果が出るのに時間がかかる、ゆっくりとした変化であることも実行を困難にさせているとし、体の動態的生理学的メカニズム に基づいた着実な減量計画が求められているとしています。