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【食】甘いジュースのカロリーがわかれば水を飲むようになる
肥満食
Posted on 2011.12.19
皆さんは500㏄のビールにはスティックシュガー5本分、発泡酒には7本分も入っているのをご存知ですか?日本ではスティックシュガー(砂糖3g入り)の本数で砂糖の量を表現すると、飲料に含まれる砂糖の量を痛感でき、ダイエットに効果的だと言われています。
いつも何気なく飲んでいる甘いジュースが、どれだけ高カロリーであるかを知るだけで、ジュースをやめて水を飲もうとするようになり、それによって肥満を改善できる可能性があることが、アメリカジョンズホプキンス大学ブルームバーグ校公衆衛生学科のSarah Bleich博士らによって明らかになり、近く発行されるAmerican Journal of Public Healthに掲載されることが、2011年12月15日の同大学が発表した資料で明らかになりました。
米国疾病管理センター(CDC)によると、アメリカ人の3分の1、そして17%の子供たちが肥満だということで、特に少数民族や低所得者層の思春期の子供たちの肥満の原因が、砂糖を加えたフルーツジュース、スポーツドリンク、炭酸飲料であることも指摘されています。
研究では、メリーランド州ボルチモアの低所得者の居住区域にある4つのお店で、「あなたは砂糖入りの炭酸飲料やフルーツジュースのカロリーが250kcal もあることを知っていますか?」(総カロリー量)、「あなたは炭酸飲料やフルーツジュース1本が、1日に必要なカロリー量の10%を占めることを知っていますか?」(推奨摂取カロリー量の内の割合)、「あなたは炭酸飲料やフルーツジュース1本を消費するのに50分間のランニングをしなければならないことを知っていますか?」(身体活動への換算)、という3つの説明を表示しました。さらにここで12歳~18歳に販売された炭酸飲料やジュースのデータ1600 件を解析。この中には、3つの表示を掲示する前後のデータもそれぞれ400ずつ含まれていました。その結果、3つの表示をすることによって、炭酸飲料やジュースの売り上げが40%も低下し、3つの表現の中では、「飲み物を消費するのに50分間ランニングする必要がある」という表示が最も効果的で、50%も販売量が低下しました。
この結果について研究者らは、カロリー表示とそれがどんな意味があるのかを若者に知らせることで、砂糖入りの清涼飲料水の消費が減り、肥満を予防できるかもしれないとしています。