コラムColumn
慢性的なストレスが肥満を招く
肥満
Posted on 2017.2.24
英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの研究で、長期間ストレスにさらされている人は、肥満になるリスクが高いことが、2017年2月の『Obesity』で発表されました。
この研究は54歳から87歳のイギリス人の男女2527人のデータを分析したもので、ストレス度に関しては、血液、尿、だ液ではなく、被験者の毛髪を2cm採取して、毛髪に含まれる「コルチゾール」を測定したもの。コルチゾールは、ストレスの指標になる物質として注目されていますが、毛髪に含まれるコルチゾールは、長期的なストレスの指標として知られています。
調査データを分析した結果、 BMI(30以上)または胴囲(男性で102cm以上、女性で88cm以上)の人は、毛髪のコルチゾールレベルが高く、慢性的なストレスにさらされていることが明らかになりました。
研究者らは、今回の研究は被験者が中高年以降に限られており、20~40代の若い世代の調査を行う必要があり、さらに、慢性的なストレスと肥満の因果関係についても、科学的に研究を進める必要があると述べています。
●出典
Sarah E. Jackson, Clemens Kirschbaum, Andrew Steptoe. Hair cortisol and adiposity in a population-based sample of 2,527 men and women aged 54 to 87 years. Obesity, 2017; 25 (3): 539 DOI: 10.1002/oby.21733